【個別株の選定方法】事業分析のための3つの視点とは

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こんにちは、アキヒロです。

長期投資をする際の個別株の選定方法について、こちらの記事(個別株の選定方法)で次の4つのステップをご紹介しました。

  1. スクリーニング: 数千社のなかから分析対象とする企業をざっくり選別する
  2. 財務分析:    財務諸表から定量的に優良な企業を選別する
  3. 事業分析:    優位性(堀)のある事業を行なっている企業を選別する
  4. 株価分析:    株式を取得する際の目安となる価格帯に目処をつける

今回は3つ目のステップ、事業分析について説明していければと思います。

事業分析の目的は、利益の源泉(その企業のビジネスの肝)を理解し、事業の優位性を確認することにあります。

米国の著名投資家ウォーレン・バフェットは、ビジネス上の強力な優位性を「堀(モート)」と呼んでいます。お城(企業)を守る堀(優位性)ということですね。

長期的に見れば、時に凡庸な人が経営者になることもあります。そうした場合でも、ある程度業績を維持し、伸ばすことができる、そうした強力な堀(優位性)のある事業を行なっている企業を見つけることが重要です。

さて、ではどういう視点で分析をしていけば良いのか、基本的なポイントは以下の3つです。

  • なにが利益を生んでいるのか?
  • なぜそれが利益を生むことができるのか?
  • 今後もその事業を維持・拡大できるのか?

なにが利益を生んでいるのか?

「働きアリの法則(パレートの法則)」というものを聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、おおよそ2割の人材や製品が売上の8割を生み出しているといった話で、ここではその利益の8割を生む2割(中核)の製品やサービスが何なのか、を探っていきます。

情報源として有価証券報告書や株主・投資家向けに発信されている資料などを通じて、売上や利益の内訳を確認していくことで、なにが稼ぎ頭になっているのか特定します。

なぜそれが利益を生むことができるのか?

稼ぎ頭になっている製品やサービス、部門などが特定できれば、次は、なぜそれが稼ぎ頭になれているのか、その理由や背景を分析していきます。

この分析は、10や20もの要因を重ねて説明されるより、何か決定的な1つか2つの理由、構造的な理由が見出される方が、優位性(堀)としては強力です。

ウォーレン・バフェットが「有料ブリッジをもつ事業に投資せよ」と言っていますが、これは、川に橋が架かっており、橋がその一本であれば、両岸の人々は必ずその橋を渡って行き来きせざるを得ず、そこで通行料を課金すれば必ず儲かる事業となる、ということです。

これは橋が一本(その製品、サービスを提供できるのがその一社)で、両岸の人々がお互い行き来する必要(その製品、サービスに一定のニーズ)があるという構造的な理由によって利益が守られていると言えます。

例えば、パソコンでMacを使いたければ、提供している企業はアップル1社しかありませんので、Macユーザーの市場においては、アップルは有料ブリッジを有していることになります。

単純にパソコンの基本スペックだけを比較すれば、アップル製品に比べて他社製のパソコンの方が安価であるケースもが多いわけですが、Macユーザーにとって、パソコン=Macですので、他社製はそもそも選択肢に入らず、アップル製品のラインナップのみを対象に購入する製品を選ぶことになります。

アップルはこうした構造的な理由によって、パソコン市場において強力な価格決定力をもち、利益を維持・拡大することができます。

今後もその事業を維持・拡大できるのか?

1つ目と2つ目のポイントはあくまで現在の状況を分析するものですが、投資を考える上で重要なのは、引き続きその収益が維持・拡大されるのか、という点です。

そこで考える必要があるのが、市場の需要と競争です。

先ほどの有料ブリッジの話に戻りますが、両岸の人々がそれほど行き来する必要(ニーズ)がなくなればどうでしょう。収益性は著しく低下することになります。

また、別の橋ができればそこには競争が生まれ、通行料を高く設定することが難しくなり、収益性が大きく損なわれます。

したがって、今後、需要がどの程度維持・拡大されていくのか、また競争については、参入障壁(規制や特許、設備投資の大きさ、乗り換えコストなど)がどれほど強固に維持されていくか、こうしたところを評価していく必要があります。

加えて、企業が行なっている事業の伸張性にも目を向ける必要があります。

現在の顧客層に限界があっても、異なる客層や地域に優位に展開できる余地があるのであれば、さらなる飛躍を期待することができますので、その企業が示しているビジネス戦略・展望がどの程度実現可能で、収益期待のもてるものなのか、検証をしていくことが大切になります。

 

以上、事業分析の基本的な3つの視点を整理しました。

1つ目の「なにが利益を生んでいるのか?」という点については、ある程度数字で見ることができますので比較的わかりやすいですが、2つ目の「なぜそれが利益を生むことができるのか?」、また、3点目の「今後もその事業を維持・拡大できるのか?」は、定性的でなかなか評価の難しいところかと思います。

最初に少し触れましたが、定性的な評価を行うにあたって、「経済的な堀」についても記事にしていますので、よろしければ併せてご一読頂ければと思います。

→→「経済的な堀」について考える

 

今回は以上です。

ご参考になれば幸いです。

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