米国株に長期投資をする理由

eye-catch image 投資スタイル・理論

こんにちは。

投資には、株や債券、外貨等、様々な投資対象がありますが、そのなかで、アキヒロは株式、特に米国株を中心に長期投資を行っています。今回はその理由についてお伝えしたいと思います。

米国株に長期投資をする理由は主に3つあります。

  • 株式の長期リターンの優位性
  • 米国市場の成長性
  • 米国市場は魅力的な優良銘柄が豊富

株式の長期リターンの優位性

まず、以下のグラフを見て頂きたいと思います。

出典:Jeremy Siegel

このグラフはジェレミー・シーゲルという方が過去200年分の株(Stocks)、長期国債(Bonds)、短期国債(Bills)金(Gold)、現金(Dollar)について、インフレ調整後のトータルリターン(キャピタルゲイン、配当、利息含)の推移を調べた結果です。

一目瞭然ですが、株が圧倒的にパフォーマンスがいいですね。理由はわかっていないそうですが、期間を長期にとれば、インフレ調整後の平均リターンはどの時期でも6.5〜7.0%で一貫して推移しており、「シーゲルの一貫性」と呼ばれています。6.5〜7.0%というと、10年で資産が倍になるペースです。

株の次にリターンが良かったのが長期国債、次いで短期国債、ゴールドはインフレの影響を相殺する程度です。現金のドルにいたっては、1ドルが0.052ドルまで価値が低下していますので、インフレの影響の大きさがわかります。

株は企業の一部を所有することですので、インフレになっても企業がそのインフレの影響を製品やサービスの価格に転嫁することで、影響を軽減、また完全に吸収できるということがいえるかと思います。

一方、債券にはそうした機能はありませんので、インフレの影響を大きく受けることになります。

そうはいっても、株は価格変動が激しくリスクが高いのでは、と思われる節もあるかと思いますが、過去のデータからは、それは短期的には正しく、長期的には当てはまらないというのが事実です。

次のグラフは保有期間に対するリターンの範囲を示しています。

保有期間が1年のケースでは、やはり株(Stocks)の振れ幅が大きく、高いリターンが得られる可能性がある一方で、大きく損をするリスクもあります。

5年以上になると株と債券(Bonds)のリターンの下限が均衡し始め、マイナスが出る可能性は低くなってきます。そして、保有期間が20年になると完全に株が優位になります。

グラフ内、右上に20年間の株と債券のリターンの年平均増加率と10万ドルを運用した場合の結果が載っていますが、20年間運用した結果は、株では資産が8.4 倍、債券では3.2倍程度と、複利の効果によって、株と債券では資産運用の結果に2倍以上の開きができています。

したがって、長期投資をする場合は、株一択、もしくは株を中心にしつつ、一部債券をもっておくといったあたりが良さそうなところではないでしょうか。

なお、この株の優位性は、米国市場に限らず、世界中で同様の傾向が見られます。

出典:Jeremy Siegel

程度の差はありますが、株のリターンの優位性は明らかで、やはりインフレリスクを回避できることが大きな要因ではないかと思います。

米国市場の成長性

続いて、米国市場の成長性について見てきます。

ここで前提になるのは、GDPと株価には正の相関がある、という点です。平たく言えば、GDPが上がれば、株価も上がるということですね。

以下は、主要国の名目GDPの推移です。

World Economic Outlook (Oct, 2018)のデータを基に作成

また、2008年から2018年までの年間平均成長率は下表のとおりです。

国名 年平均成長率(2008ー2018)
アメリカ 3.38%
中国 11.32%
日本 0.06%
ドイツ 0.67%
インド 8.19%
フランス -0.48%
イギリス -0.44%
イタリア -1.40%
ブラジル 1.20%
カナダ 1.13%

中国やインドといった新興国を除けば、先進国で最も成長している国が米国ということになりますので、GDPと株価の相関を考えると、米国市場が一番株価の上がりやすい市場ということが言えるかと思います。

米国株は魅力的な優良銘柄が豊富

米国市場は世界最大の市場だけに世界的な優良企業が多く上場しています。アップルやスターバックス、P&G等、日本でもよく知られている銘柄も多く、そうした銘柄に投資することができます。

試しにInvesting.comで売上高成長率と純利益率について、米国株(NYSE+NASDAQ)と日本株(東証)のスクリーニングをしてみましたが、結果は以下のとおりです(2019年4月16日時点)。

  米国 日本
過去5年間の売上高成長率が20%以上の企業数

775/4166社(18.6%)

204/3238社(6.3%)

過去5年間の純利益率の平均が20%以上の企業数 760/4324社(17.6%) 116/3257社(3.6%)

ご覧いただいてわかるとおり、米国市場は日本市場に比べて、成長性のある企業や利益率の高い企業がゴロゴロしており、米国市場には優良な銘柄が多いことがわかるかと思います。

米国株投資のデメリットは?

メリットもあれば、もちろんデメリットもあります。主に以下の3つの点について注意が必要です。

日本語で得られる情報が限られる

米国株ですので、基本的には英語で情報収集する必要があります。有名な企業については、日本語でもある程度調べることはできると思いますが、情報量とリアルタイム性では英語ネイティブに対して劣位になる点は否めないところです。

為替リスク

JPYベースで見ると、株を購入、また売却する際に、為替レートの影響を受けることになります。購入する際に円高、売却する際に円安であれば良いですが、逆の場合は折角の利益が喰われてしまったり、損失がさらに大きくなったりする可能性がありますので、為替変動も勘案して利益確定や損切りを行う必要があります。

売買手数料が高い

日本株に比べて米国株は売買手数料が高いですので、頻繁に売買をされる方は取引コストの増大につながりますので留意が必要です。

まとめ

  • 長期投資なら歴史的には世界のどの市場でも株一択、もしくは株を中心に一部債券
  • 株式投資なら経済成長率の高い米国市場に優位性アリ
  • 米国市場には成長性や収益性の高い優良銘柄が豊富

その他、米国株は1株から購入できますので、少額投資にも向いています(手数料はかさみますが)。

また、時差があるため、日中取引のできないサラリーマンの方も仕事が終わってから売買ができるといったメリットもあります。

他方、デメリットとして、日本語の情報が限られている、為替リスク、売買手数料が高いといった点には注意が必要です。

今回は以上です。

ご参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました