【書籍レビュー】財務3表一体理解法

書籍紹介

こんにちは、アキヒロです。

今回は、「財務3表一体理解法(朝日新書)」という本のレビューです。

本書は、財務3表とありますが、簿記や仕訳の細かな話というよりは、会計の仕組みを理解し、決算書を読めるようになる、また、決算書から事業活動の様子や会社の状況を分析できるようになることを目的に書かれた本になります。

まず、最初に財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)の構造について解説されていますが、単に構造を解説しているだけではなく、企業を分析するための見方や財務3表のつながりを意識した説明になっています。

財務3表の説明の後、いよいよ本丸の「財務3表一体理解法」に入っていきます。この理解の方法は、会計という森の一本一本の木の勉強ではなく、会計の森全体を木と木のつながりを明らかにしながら理解していくもので、具体的な一つひとつの取引の例を通じて、財務3表のどこの数字がどのように動いていくのかを見ていくことで財務3表にどのような「つながり」があるのかを理解していくものになります。

財務3表の構造、また、そのつながりの基本を理解したところで、次に決算書を読み解くツボに関して説明されています。収益性や安定性を見るための分析指標の使い方や財務操作について、また、キャッシュフロー計算書からどう会社の状況を読み解くかなど、投資家にとって有益な解説がなされています。

最後に、2000年代に変更になった「時価会計」や「減損会計」といった会計基準、また「のれん」や「減資」など、M&Aや事業再生に関連するキーワードについて、会計の知識をベースに説明されています。

所感

個別株へ投資、特に中長期的な投資をするのであれば、ファンダメンタル分析は必須で、財務諸表がわからないとなかなか厳しいわけですが、かといって、会計士や企業の経理担当者のように細かなところまではそうそう勉強はできませんので、そういった意味では、本書は、ちょうどいい具合の内容なのではないかと思います。

他の投資関連の書籍を読んでいると、ROEや流動比率、自己資本率などなど、様々な指標が出てきますが、財務諸表を知らないと、こうした指標も説明されればなんとなくわかるけど、しっかりはわかっていないという状況になって、せっかく読んだ本の内容もピンとこない、使える知識になっていかないということにもなりかねませんので、やはり基本はしっかり押さえておくことが大切かと思います。

財務諸表がわかれば、様々な指標についても、どこのどの数字をもってきて計算されているのかがわかりますので、それぞれの指標が意味するところがより深く理解できるようになりますし、指標同士の関係も見えるようになってきます。そうすると、必然的に企業の財務分析をする際の精度もグンと上がってきます。

本書は、個別株に関心のある方や、投資をしているがファンダメンタル分析は苦手という方にとっても、企業の財務状況の全体像を読みとっていくための基礎的な知識や考え方を身につけていくことができるかと思いますので、導入の1冊として、本書を手にとって頂いても良いのではないかと思います。

財務3表はまったく初めてという方は、さすがに一度読んだだけでは十分に理解がいかないかも知れませんが、その際は、一度はとりあえず通読して、2回目は、ご自身の関心のある企業の財務3表を実際に見ながら読んでいかれると、使える知識になっていきますし、より理解が進むかと思います。

また、本書の後は、続けて「バフェットの財務諸表を読む力」を読まれてみても良いのではないでしょうか。個別銘柄の選定をするにあたって、非常に勉強になる1冊です。

【書籍レビュー】バフェットの財務諸表を読む力
投資関連書籍レビュー「バフェットの財務諸表を読む力」(徳間書店) メアリー・バフェット、デビッド・クラーク[著] 峯村利哉[訳]

 

今回は以上です。

ご参考になれば幸いです。

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