こんにちは、アキヒロです。
Pan Rollingから出版されている「とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法」という本を読みましたので、簡単ですが、レビューをしたいと思います。
ピンとくる方は、タイトルからバフェット関連だということがわかるかと思いますが、そのとおりです。
バリュー投資家向けのサイト「gurufocus」の主宰者であるチャーリー・ティエン氏の著作で、原題は「Invest Like a Guru: How to Generate Higher Returns at Reduced Risk with Value Investing」だそうです。
「gurufocus」は、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチの手法を定量的なスクリーニングで再現しようと、投資家向けに様々なツールを提供しているサイトです。
スクリーニングツールは有料会員しか使うことができませんが、バフェット指数やシラーPER、各国のマーケットの評価といった情報は会員でもなくても見ることができますので、アキヒロもちょくちょく覗いているサイトの1つです。
本書の内容としては、冒頭、著者が従事していた光ファイバー分野への投資で失敗したことをきっかけに、リンチやバフェットの手法を学び、その学んだことを伝えていくために「gurufocus」を立ち上げたといった経緯などが導入として綴られています。
続いて、ディープバリュー投資の問題点について書かれています。これは、バフェットが若い時に使っていた手法から現在の考え方に変遷していった背景にもあたる部分かと思います。バフェットと、バフェットの師であるベンジャミン・グレアムの手法の違いが見える部分でもあります。
そのあとは、バフェットやリンチの言葉を借りつつ、優良株を見極める銘柄選定の方法、適正株価で買うための価値算定の方法、株価の割高・割安に関する見方などについて説明が続き、最後に相場サイクルに関して記載されています。
所感
内容としては、バフェットやリンチ関連の書籍を読まれている方にとっては、あまり目新しさはないかもしれませんが、1冊の本のなかでよくまとめられているといった印象です。
もちろん、1冊でこれだけの内容をカバーしていますので、この1冊を読んだだけで、例えば、何種類もの企業のバリュエーションができるようになる、といったことは難しく、別途掘り下げて学んでいく必要はあるかと思います。
ただ、手法や見方、考え方などが網羅的に書かれているため、知らなかったことや認識違いをしていたことなどを抽出して、次に学ぶべきポイントを整理するということはできるかと思いますので、ある程度バフェットやリンチの本を読まれている方でも、頭の整理になりますし、読んで損はない一冊ではないかと思います。
個人的には、企業価値の評価法の1つであるDCFに関して、通常、フリー・キャッシュフロー(FCF)を使うところを、gurufocusでは、純利益から経常外損益を除いた値を使っている※といった点や、相場サイクルでは、バフェット指数やシラーPER等に加えて、インサイダーの動きを見るといったあたりは新しい発見だったので読んだ甲斐がありました。
留意点としては、財務諸表に出てくる用語や株価を分析するための指標など、詳しい説明のないまま使われているケースが少なからずありますので、ある程度、財務諸表や基本的な指標をおさえた上で読まれる方が実りがあって良いかもしれません。
※ FCFを経常外損益を除いた純利益で代替するという点は、FCFは不定期な設備投資などの出費によって左右される可能性がある一方で、純利益は減価償却費の計上によって均されることを理由として挙げています。ただ、本書には詳しい説明は見られませんでしたが、経常外損益が大きい場合、その分税金がかかる/軽減されることになりますので、経常外損益を除く際には、法人税の額も、併せて調整しておく必要があろうかと思います。
今回は以上です。
ご参考になれば幸いです。