こんにちは、アキヒロです。
「外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例(プチ・レトル)」という本を読みましたので、簡単ですが、レビューを書きたいと思います。
本書は大きく以下の3つのパートから構成されています。
- 株式分析とは
- 株式分析の理論
- 株式分析の実践
「株式投資とは」では、株式分析の必要性と概要、またそもそも株式投資とは何なのか、というところから説明されています。
続く「株式分析の理論」では、金融の観点において、分析対象である「株式」の価値とは何かというところを整理し、現在価値や将来価値の考え方、またリスクフリーレート(安全利子率)や資本コストといった株式分析に必須となる概念について解説がなされています。
その上で少数株主(個人投資家)に有意義な評価方法としてDDM(Dividend Discount Model)について紹介、解説が行われています(よく知られている企業価値の評価方法にDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)がありますが、本書ではDCF法にも触れつつ、なぜDDMを使うのかについても説明されています)。
「株式分析の実践」では、株式評価に係る調査プロセスに関し、具体的な流れと各プロセスにおける着眼点について説明がなされており、実際に実在の企業を例に株式の評価が行われています。
所感
読んだ感想としては、入門者向けということで、株式分析に必要な必要最低限の知識をコンパクトにまとめたという印象です。
株式分析ということで、その株式の本来価値を計算で導き出すわけですので、当然、ところどころ数式も出てくるわけですが、丁寧に説明されていますので、数学はあまり…という方でも、それ程わかり難いということはないかと思います。
ただ、分析対象の企業を絞り込むスクリーニングについてはあまり踏み込んで記載されていませんので、そもそもどの企業を分析していいかわからないという方は、本書の前に、業績や財務指標からスクリーニングをする方法などを学んで、いくつか分析対象の企業を見つけた上で、実際に自分で株価分析をやってみたい企業を想定しながら読んだ方がより身につくのではないかと思います。
スクリーニングについては、当ブログでも記事にしていますので、よければ参考になさってください。

個人的には、業績予想をする際のアナリストの視点や、アナリストがそれをどのように数字に落とし込んでいるのか、試行錯誤されている様子(例えば、DDMにおいて、内部留保が多い企業の配当性向をどう考えるかなど)が垣間見れて、とても勉強になりました。
今回は以上です。
ご参考になれば幸いです。